車中泊を快適に過ごすための一番のポイントは、フルフラットで家族全員がゆったりと足を伸ばして寝られるベッドを作ることです。
ただ、ノアやヴォクシー、セレナなどのミニバンにキャンピングカーのように改造して固定式のベッドを作ってしまうと、普段使いで人や荷物を乗せられられなくなってしまい不便です。
年に数回車中泊で使うだけなら、車中泊の時だけ取り付けるような着脱可能なベッドを検討するのがいいでしょう。
ミニバンの場合、上記の写真のように3列目のシートを跳ね上げ(または折りたたみ)、そこに2段ベッド(ベニア板を2列目シートの背もたれと、アシストグリップなどに荷締めベルトを通して支えてある)を作ってあげれば、家族4~5人ぐらいはそのスペースで寝ることができるようになります。
でも、我が家は6人家族なので、もう一箇所、1列目の運転席と助手席を使って大人が寝られるスペース(カットしたベニア板をシートの座面に乗せただけのベッド、寝袋で寝るタイプ)を作りました。
これらのベッドは2~3分ほどで簡単に着脱できますし、制作費用も3000円ほどで作ることができます。
しかも、普通、車中泊をする場合2列目もベッドにしてしまうため、スライドドアを開けた瞬間に布団や寝袋などが見えてしまうためあまり格好が良くありませんでした。
ですが、今回紹介するような形でベッドを配置すると、二列目にはベッドが無いためスライドドアを開けた際も見た目がスッキリしますし、車への出入りや靴の置き場にも困りません。
今回はそんなミニバンの車中泊ベッドの具体的な作り方について、詳しくお話していきます。
車中泊ベッドを作るために必要なもの
まずはじめに、今回紹介するミニバン車中泊ベッドを自作するために必要なものについて紹介しておきます。
ベニア板(2枚)
まずはじめに必要となるのが、フルフラットのベッドを作るためのベニア板です。
我が家のミニバン(エルグランド)の場合、3列目の二段ベッドを作るために1800×900×12mmサイズのベニア板(約1000円、ホームセンターなどで購入可能)を1枚、1列目の運転席と助手席の上に乗せるベッドを作るために同じサイズのベニア板を1枚使いましたので、ベニア板は合計2枚必要となります。
荷じめベルト(2本)
普通、車中泊用のベッドを自作する場合、ベッドを支える骨組みを作る必要があります。
でも今回はなるべく安く、かつ簡単に着脱できる構造にするため、2列目シートの背もたれ上部やアシストグリップ(車のドアの上辺りに付いている手すりのこと)などに荷じめベルトを通してベッド(ベニア板)を3箇所で支える構造としました。
ホームセンターで売られている荷締めベルト(4~5mのもの、約500円/本)を2本準備しておきましょう。
電動丸のこ(レンタル品でOK)や手のこぎり
ベニア板のカットは手のこぎりでもOKですが、上の写真のような電動丸ノコがあると便利です。
電動丸ノコは持っていなくても、ホームセンターなどでレンタル(2~3日、300円程度)することができますので、そういったものを利用すれば安上がりです。
その他
その他に、メジャーやペンチ、マジック、定規など、家にあるものを使いました。
ホテル代を浮かすために車中泊ベッドを作るのであれば、それを作るための道具にお金をかけないほうがいいので、なるべく家にあるものやレンタル工具などを活用する方が良いと思います。
二段ベッド(三列目)の作り方
ここからは3列目シート部分につくる二段ベッドの具体的な作り方についてお話していきます。
2列目シートの位置を決める
先程までの話で、1列目の車中泊ベッドはシートを目一杯後ろまで下げて使うことがわかると思います。
その状態(1列目のシートを一番後ろに下げた状態)で2列目のシートをできるだけ前に出し、スライドドアから出入りできるか、靴の置く場所があるかなどを確認してください。
2列目のシートはそのような必要最低限のスペースだけ残した位置にセットアップして、できるだけ3列目の車中泊2段ベッドのスペースを広くとっていきます。
ベニア板に切り欠きをつける
2列目のシートの前後位置が決まったら、3列目のシートを跳ね上げて(折りたたんで)、ホームセンターで買ってきたベニア板を仮配置してみます。
今回は、2列目シートの背もたれ上部でベッドを支える構造にていきます。
この時、ヘッドレストの支柱が邪魔でベニア板が少ししか2列目シートに乗らないため、その支柱を避けるような感じになるように、ベニア板に切り欠きカットすることにしました。
こんな感じでベニア板のカットする部分にマジックで印をつけ、手のこぎりとペンチを使って切り欠きを作ります。
ベニア板に切り欠きを作ることができたら、もう一度2列目のシートにベニア板を乗せてみます。
こんな感じでベニア板をシート上面に乗せられるようになりました。
あまり切り込みを深く入れすぎるとベニア板が前に出過ぎて、2列目に座った人の首に触れてしまうようになりますので、2~3cmほどの切り欠きを作るイメージがいいと思います。
ベニア板をカットする
2列目シート側の切り欠きをつけることができたら、次は3列目後方のトランクから飛び出してしまっている部分をカットしていきます。
一旦ベニア板を車外にどけて、ベッドになる部分の長さを測っていきます。
このときのポイントとしては、2段ベッドのベニア板は2列目シートのヘッドレストの支柱とトランクドアの内側で挟み込む(前後方向に動かないように固定する)構造にしたいので、ヘッドレストの支柱からトランクドアの内装までの距離を測ります。
そして、その長さよりも少し長めにベニア板をカットし、車内に配置してちゃんとベッドがヘッドレストの支柱とバックドアで固定できるかどうか確認しながら少しずつ長さを切り詰めて行きましょう。
すると、こんな感じでベニア板が3列目部分にちょうど収まるようになります。
荷締ベルトでベッドを吊り上げる
後は、荷締ベルトを使ってベニア板を吊り上げれば、車中泊2段ベットの完成です。
荷締ベルトは2列目のアシストグリップと、3列目のシートベルトの固定部に通して固定します。
ベニア板を吊り下げるだけだとベッドがゆらゆら揺れそうなイメージがありますが、今回のように前後方向はヘッドレストの支柱とバックドアで支えてあげるようにしてあげると、ベニア板がいい具合に固定されてベッドが揺れなくなります。
「これで車中泊ベッドは完成だ!」・・・と言いたいところだったのですが、実際にこの状態で2段ベッドの上に乗ってみると、後ろ側のベニア板が少したわんでしまいます。
というのも、前方の2列目側はベニア板がシートの上にしっかりと乗っているため全くたわみませんが、後方側は荷締ベルトで釣り上げているだけなのでベニア板の真ん中あたりがたわんでしまいます。
そこで、木工用ボンドを使って、余ったベニア板の端材をたわんでしまう後方部分(切り欠きがない方)に貼り付け、ベニア板の強度を上げてやりました。
これでベニア板のたわみも解消され、車中泊2段ベッドが完成です。
運転席&助手席上ベッドの作り方
次は1列目シート(運転席と助手席の上)に作る、取外し可能な車中泊ベッドの作り方についてお話していきます。
運転席と助手席を一番後ろに下げる
まずはじめに、1列目の車中泊ベッドのスペースをなるべく広く取るために、運転席と助手席を一番うしろまで下げます。
写真を見てもらうと分かる通り、1列目のシートを一番後ろまで下げると結構な広さのスペースができるのがわかります。
ベニア板をカットする
ここからは、1列目シートの上にベッドの天板となるベニア板が置けるようにするために、ベニア板をカットしていきます。
まずはじめに、センターコンソールあたりの凸を避けるために真ん中あたりを適当にカットします。
そして、この状態で1列目にカットしたベニア板を置いてみたりして、あたってしまうところを2~3回カットしていきます。
カットしたベニア板を置く
何度かカットしていくと、下図のような感じでベニア板が運転席や助手席の足元をカバーするような感じで、ベニア板を配置することができるようになります。
これで1列目の車中泊ベッドはこれで完成です。
実際に寝てみるとわかると思うのですが、このままでベニア板が前に向かって傾いたりすることは殆どありません。
1列目シートがかなり後ろの方まで下げられるような車種の場合は、運転席や助手席の足元などにキャリーケースなどを置いてベニア板を支えてあげればOKでしょう。
ベニア板一枚カットしただけですが、これで大人一人ゆったりと寝られるスペースを確保することができます。
最後に一言
今回は、【ミニバン車中泊DIY】家族6人寝れる二段ベッドの作り方についてお話しました。
車中泊で快適に寝られるかどうかは、どれだけ広い面積のベッドが作れるかとということが一番重要です。
このように、3列目に2段ベッドを、そして1列目に追加で大人一人分のベッドを作ることで家族6人でも車内で快適に寝られる空間を作り出すことができました。
また、キャンピングカーのようにガッチリと固定して作り込んではいませんので、取付や片付けも10分ほどで簡単に行うことができます。
是非参考にしてみてくださいね。
それでは!