北海道に車で行くためには、必ずフェリーに乗る必要があります。
なぜなら、青函トンネルは鉄道トンネルであり、車が通ることができる道路がないから。
ただ、北海道を車中泊で旅行したい場合、費用のかかるレンタカーではなく自分の車で行きたくなりますよね?
今回は、北海道まで車と一緒に乗れるフェリー航路について調査した結果をまとめてみました。
北海道まで車と一緒に乗れるフェリー航路
北海道と本州を結ぶ青函トンネルには車が通れる道路がないため、北海道で車中泊旅行するために車を北海道まで持っていくためには、必ずフェリーに乗る必要があります。
車と一緒に北海道に渡ることができるフェリーの航路は、大きく分けると以下の3航路となります。
- 津軽海峡ルート(津軽海峡フェリー、青函フェリー)
→料金が安く、乗船時間も短い。船酔いしたくない人におすすめ。 - 太平洋ルート(太平洋フェリー、商船三井フェリー、シルバーフェリー)
→名古屋や仙台などから乗船が可能で、そのまま北海道まで行ける。乗船時間は数十時間にもなるため、船旅が好きな人向け。船酔いする人は避けた方がベター。 - 日本海ルート(新日本海フェリー)
→舞鶴や新潟などから乗船が可能で、そのまま北海道まで行ける。乗船時間は数十時間にもなるため、船旅が好きな人向け。船酔いする人は避けたほうがベター。
ここからは、それぞれのルートのことについて詳しくお話していきます。
津軽海峡ルート
津軽海峡ルートは、函館と青森、大間を結ぶフェリー航路で航路が短いため乗船時間が短く、一日に何便も就航しているのが特徴。
出典)北海道~本州間のフェリー航路 | 総合政策部交通政策局物流港湾室
北海道に行くまでの道のりも車でいろいろな場所に立ち寄りながら旅をしたいという場合や、船酔いに弱い人がいる人向けの航路です。
もちろん、船酔いをするかしないかは当日の天候や体調にもよりますが、津軽海峡ルートは他の航路に比べて圧倒的に乗船時間が短いですので、仮に船酔いになったとしてもその時間を短く済ませることができます。
①青森~函館
【ルート概要】12,800円~(車両+1名)、約3.5時間、日16便
②大間~函館
【ルート概要】13,160円~(車両+1名)、約1.5時間、日2便
太平洋ルート
太平洋ルートは名古屋や仙台など太平洋側から乗船が可能で、そのまま北海道まで行ける長距離のフェリー航路です。
出典)北海道~本州間のフェリー航路 | 総合政策部交通政策局物流港湾室
太平洋ルートは基本的に船旅が好きな人向けの航路です。
乗船時間は数十時間にもなるため船酔いする人や、小さな子供がいる場合は避けた方がベターでしょう。
なお、太平洋側は日本海側より船の揺れが少ないようなイメージがありますが、船酔いになるかどうかは当日の天候次第なので、しけてしまった場合は太平洋ルートでもフェリーは結構揺れてしまいます。
船酔いをする人がどうしてもこの航路を利用する場合、船の揺れは中心部分が一番弱くなりますので、少々料金が高くなってしまうかもしれませんが、船体の中央部にある部屋を選んだほうがいいと思います。
③苫小牧~八戸
【ルート概要】25,000円~(車両+1名)、約8時間、日4便
④仙台~苫小牧
【ルート概要】26,300円~(車両+1名)、約15時間、日1便
⑤名古屋~苫小牧
【ルート概要】34,000円~(車両+1名)、約40時間、日1便
⑥大洗~苫小牧
【ルート概要】26,740円~(車両+1名)、約19時間、日1~2便
日本海ルート
日本海ルートは舞鶴や新潟などの日本海側から乗船が可能で、そのまま北海道まで行ける長距離のフェリー航路です。
出典)北海道~本州間のフェリー航路 | 総合政策部交通政策局物流港湾室
日本海ルートは基本的に船酔いをしない人や船旅が好きな人向けの航路です。
もろもろの交通費やガソリン代などを考えると、津軽海峡ルートまで車で行ってから北海道に渡るよりも安く済む場合もあります。
乗船時間は数十時間にもなるため船酔いする人や、小さな子供がいる場合は避けた方がベターでしょう。
船酔いをする人がどうしてもこの航路を利用する場合、船の揺れは中心部分が一番弱くなりますので、少々料金が高くなってしまうかもしれませんが、船体の中央部にある部屋を選んだほうがいいと思います。
⑦秋田~苫小牧
【ルート概要】18,410円~(車両+1名)、約10時間、週6便
⑧新潟~苫小牧
【ルート概要】21,500円~(車両+1名)、約20時間、週6便
⑨敦賀~苫小牧
【ルート概要】31,370円~(車両+1名)、約19時間、日1便
⑩新潟~小樽
【ルート概要】21,500円~(車両+1名)、約18時間、週6便
⑪舞鶴~小樽
【ルート概要】31,370円~(車両+1名)、約20時間、日1便
なお、フェリーの運賃は乗船時期によって運賃が異なりますし、大規模な割引キャンペーンの適用などで運賃が大幅割引されることもありますので、念のため各フェリー運行会社のキャンペーン情報等を確認することをおすすめします。
フェリー最安値の調査結果(出発地が東海地区の場合)
ここからは、家族5人(大人2人、幼児2人、赤ちゃん1人)で自家用車1台(ノア)、中部地区(三重)、そして4月中旬の出発という設定で、どの航路を利用するのが良いのか(費用、時間、疲れ具合など)検討していきます。
まず、先ほど紹介したフェリー航路の調査結果をざっくりとまとめておきます。
- 【最短】津軽海峡フェリー(55,760円、18時間)
- 商船三井フェリー(66,870円、26時間)
- 【最安】太平洋フェリー(44,360円、41時間)
- 新日本海フェリー(68,650円、23時間)
※費用と時間には、三重⇒北海道までの往路のフェリー料金(家族5人分)、ガソリン代、高速料金が含まれています。
【最短】津軽海峡フェリー(55,760円、18時間)
出典)津軽海峡フェリー
まずはじめは、最も近距離の津軽海峡フェリーから。
津軽海峡フェリーの航路は二種類ありますが、中部地区から自家用車で北海道に行く場合、青森~函館の(津軽海峡ロード)を利用することになると思います。
■津軽海峡フェリー
http://www.tsugarukaikyo.co.jp/
フェリー料金(青森⇒函館、18,680円、3時間40分)
まずは、津軽海峡フェリーの料金から見ていきましょう。
- 旅客料金⇒2,220円、大人1人(スタンダード/2等)
- 車両運賃⇒16,460円(6m未満、大人1人のスタンダード/2等含む)
- 合計;18,680円
※大人1人に対して子供1人は無料(同シート)で、1歳未満の幼児は基本的に無料です。
■函館~青森の運賃|津軽海峡フェリー
http://www.tsugarukaikyo.co.jp/fare/fare_route1/
自動車で移動(三重⇒青森、37,080円、1089km、14時間21分)
次に、三重県から自動車で津軽海峡フェリーの乗り場までの、高速代やガソリン代、時間などについてマップファンのルート検索(Web版、無料)を使って調べていきましょう。
出典)マップファン
- 高速代;22,880円
- ガソリン代;14,200円(10km/L、130円/L)
- 合計;37,080円
津軽海峡フェリーのまとめ
津軽海峡フェリーで北海道に渡る場合、フェリー料金と自動車での移動の合計で55,760円、18時間ということになりました。
ただ、このルートの場合、車での移動距離が相当長い(1089km)のため、ドライバーに負担がかかりそうな気がしますので、今回の旅では採用しないと思いますが、まずは、この航路を基準において、他の航路についても検討していくことにします。
商船三井フェリー(66,870円、26時間)
3つ目は、太平洋ルートの商船三井フェリーで北海道に行く方法について調べていきます。
フェリー料金(大洗⇒苫小牧、54,760円、19時間)
太平洋フェリーと同様、商船三井フェリーを使った場合も、大部屋ではなく、家族で一部屋を取れてゆっくり寝られる個室のスタンダードの旅客料金で試算してみました。
- 旅客料金⇒14,910円(大人1人、スタンダードルーム)
- 車両運賃⇒26,740円(5m未満、大人1人のエコノミールーム)+6,710円(エコノミールーム⇒スタンダードルーム)
- 合計;48,360円
なお、大人1人に対して子供1人は無料(添い寝)で、1歳未満の幼児は基本的に無料です。
■運賃|商船三井フェリー
http://sunflower.co.jp/ferry/tariff/201504.shtml
自動車で移動(三重⇒大洗、18,510円、504km、7時間)
次に、三重県から自動車で商船三井フェリーの乗り場までの、高速代やガソリン代、時間などについてマップファンのルート検索(Web版、無料)を使って調べていきましょう。
出典)マップファン
- 高速代⇒11,960円
- ガソリン代⇒6,550円(10km/L、130円/L)
- 合計;18,510円
商船三井フェリーのまとめ
ということで、商船三井フェリーで北海道に渡る場合、フェリー料金と自動車での移動の合計で66,870円、26時間ということになりました。
津軽海峡フェリーに比べて、フェリー航路が長い分、フェリーの料金が高くなり、それと引き換えに車での移動距離がだいぶ短縮されています。
ですが、北海道到着までのトータル費用を5万円以内に抑えたいので、このルートも今回の旅行では採用することはなさそうです。
3.【最安】太平洋フェリー(44,360円、41時間)
続いては、太平洋フェリーで三重県から北海道まで行く場合を検討してみます。
まず、一番初めにお伝えしておきたいことは、この太平洋フェリーには乗船日の28日前までの予約購入で、通常運賃から最大50%OFFになるとてもお得な割引運賃(早割)があるということ。
今回は、このお得な早割を使うことを視野に入れて試算していきます。
フェリー料金(名古屋⇒苫小牧、45,400円、40時間)
太平洋フェリーを使った場合、大部屋の2等ではなく、家族で一部屋を取れてゆっくり寝られる個室の1等の旅客料金で試算してみました。
なお、大人1人に対して子供1人は無料(添い寝)で、1歳未満の幼児は基本的に無料です。
- 旅客料金⇒10,800円(大人1人、1等インサイド、個室)
- 車両運賃⇒23,800円(5m未満、大人1人の2等船室含む)+4,200円(2等船室⇒1等インサイド)
- 合計;43,000円
■早割の運賃|太平洋フェリー
http://www.taiheiyo-ferry.co.jp/unchin/plan06.html
自動車で移動(三重⇒名古屋、1,360円、41km、1時間)
次に、三重県から自動車で太平洋フェリーの乗り場までの、高速代やガソリン代、時間などについてマップファンのルート検索(Web版、無料)を使って調べていきましょう。
出典)マップファン
- 高速代⇒830円
- ガソリン代⇒530円(10km/L、130円/L)
- 合計;1,360円
太平洋フェリーのまとめ
太平洋フェリーを使った場合、所要時間は大幅に伸びてしまいますが、費用は早割を活用する事で子供達と一緒に自由に出来る個室を利用しても目標の5万円を切るレベルです。
また、三重県からの利用の場合、車での移動がほとんどないため、体力的にもこのルートは魅力的。
今のところ第一候補としておきましょう。
ただし、このルートは出発の30日前にインターネット予約することで利用できる早割(50%OFF、期間限定)を活用するので、その点は注意しないといけませんね。
新日本海フェリー(68,650円、23時間)
最後は、日本海側を通過する新日本海フェリーで北海道に渡る場合について調査していきます。
フェリー料金(敦賀⇒苫小牧、61,920円、20時間)
新日本海フェリーの場合も、大部屋ではなく、家族で一部屋を取れてゆっくり寝られる個室のステートAの旅客料金で試算してみました。
- 旅客料金⇒20,060円(大人1人、ステートA)
- 車両運賃⇒31,370円(5m未満、大人1人ツーリストS含む)+10,490円(ツーリストS⇒ステートA)
- 合計;61,920円
■運賃|新日本海フェリー
http://www.snf.jp/searoute/tsuruga-tomakomai.html
自動車で移動(三重⇒敦賀、6730円、168km、3時間)
出典)マップファン
- 高速代⇒4,550円
- ガソリン代⇒2180円(10km/L、130円/L)
- 合計;6,730円
新日本海フェリーのまとめ
ということで、新日本海フェリーで北海道に行く場合、費用は68,650円で23時間かかるという結果になり、新日本海フェリーは、北海道までの片道費用の目標である5万円をきることが出来ませんでした。
4つの航路の費用と所要時間のまとめ
これまでの調査結果をまとめると・・・
- 津軽海峡フェリー;57,980円、18時間(車での移動は14時間)
- 商船三井フェリー;66,870円、26時間(車での移動は7時間)
- 太平洋フェリー;44,360円(早割適用)、41時間(車での移動は1時間)
- 新日本海フェリー;68,650円、23時間(車での移動は3時間)
ということになり、今回は費用的に一番安く、かつ車での移動距離が最も少なく、子供達にも負担のかかりにくい太平洋フェリーを使って北海道に車中泊旅行する事に決定しました。
ただ、検討する中でもうひとつ魅力的だったのは、津軽海峡フェリーを使ったルート。
太平洋フェリーは北海道に着くまでに41時間かかるのに対して、津軽海峡フェリーならその半分以下の時間(18時間)で北海道に車とともに到着する事が出来ます。
往復分を考えると、その違いは約1.5日にもなり、まだまだ体力もあって、北海道で少しでも長く滞在したいという場合は、この津軽海峡ルートをつかっても良いでしょう。
最後に一言
今回は、【最安値】車中泊の北海道にフェリーで車も乗せて行くための4つの方法についてお話しました。
青函トンネルは鉄道専用のトンネルなので、車中泊好きな人にとって北海道で車中泊旅行は、フェリーを使う分、すこしハードルが高くなってしまいます。
ですが、今回の調査で、中部地区から北海道まで、5万円以下で車とともに北海道まで行くことができるルート(太平洋フェリー、名古屋⇒苫小牧)を見つけることが出来ましたので、いつかは北海道を車中泊旅行したいと思っている人は、是非このルートを活用してみてくださいね。
ただし、このルートは出発の30日前にインターネット予約することで利用できる早割(50%OFF、期間限定)を活用していますので、その点にはご注意くださいね。
それでは!